World (ワールド)

../../_images/render_cycles_world_environment-lighting.jpg

HDR を利用したライティング画像。

ワールドの環境は、単一の色から物理的な空のモデル、任意のテクスチャを利用した物までの多様な光を放射できます。

Surface (サーフェス)

Reference

Panel:World ‣ Surface

サーフェスシェーダーはその環境からシーンに入射する光について定義します。ワールドのサーフェスはシーンから、オブジェクト間の双方向の作用が存在せずただ光が入ってくるだけと考えられる程、遠く離れた物としてレンダリングされます。シェーダーが受け入れるのは Background ノードにおける Color の入力と光源の強さを表す Strength の値だけです。

Image Based Lighting (イメージベースドライティング)

イメージベースドライティングにおいては、正しいマッピングのために Image Texture ノードの代わりに Environment Texture ノードを利用します。このノードは Equirectangular (正距円筒図法) 、およびミラーボール状の画像をマッピングする Mirror Ball (ミラーボール) を環境マップとしてサポートしています。

Volume (ボリューム)

Reference

Panel:World ‣ Volume

ボリュームシェーダーはワールド全体、その空間を完全に満たすように適用できます。

現時点では、ボリュームシェーダーを用いた場合にワールドのサーフェスシェーダーや Sun ランプが何の影響も与えないため、ボリュームシェーダーは夜や暗いシーンの表現に最も役立ちます。これはワールドの背景が、例えば太陽を正確に再現できるように無限遠に存在すると仮定されているためです。しかしながら、霧や空気中の拡散をモデリングする上では、おなじボリュームが空間全てを満たしているという仮定は、太陽と地球の間を満たすのがほぼ空の空間であるのと同様、望ましく有りません。そういった効果のためにはシーンを取り巻く別のボリュームオブジェクトを作ったほうが良いでしょう。そのボリュームオブジェクトの大きさによってどれだけ光が拡散あるいは吸収されるかが決まります。

Ambient Occlusion (アンビエントオクルージョン)

Reference

Panel:World ‣ Ambient Occlusion

アンビエントオクルージョンはあるサーフェス上のある点が近接しているサーフェスによってどれだけ遮蔽されているかに基づいたライティング手法の一つです。トリックの一つであり物理的に正確ではないのですが、サーフェスの形状を強調する上で有用であり、間接光のライティングのような見た目を得るための手軽な方法です。

Factor (因数)
アンビエントオクルージョンの強さを表します; 1.0 の値では白色で設定したワールドのシェーダーのようになります。
Distance (距離)
Distance from shading point to trace rays. A shorter distance emphasizes nearby features, while longer distances make it also take objects farther away into account.

アンビエントオクルージョンによるライティングは BSDF の反射を拡散する際にのみ適用されます; 光沢もしくは透過する光を扱う BSDF は影響を受けません。サーフェスの透過性は考慮されます、例えば半透明のサーフェスは半分だけ光線を遮蔽します。

シェーダー毎を基本としてアンビエントオクルージョンを利用する別の方法は Ambient Occlusion シェーダーを利用することです。

Mist Pass (ミストパス)

Reference

Panel:World ‣ Mist Pass

Shown when the Mist pass is enabled. Mist values will range from 0.0 - 1.0 and are available from the Render Layers node.

Start
Defines the beginning of the mist range from the camera.
Depth (深度)
Defines the length over which mist values will be provided.
Falloff (減衰)

The curve function that determines the mist values within its depth.

Quadratic
Uses the same calculation as light falloff (\(1\over{x^2}\)) and provides the smoothest transition from transparent (0.0) to opaque (1.0).
Linear (線形)
Has a steeper start than quadratic (\(1\over{x}\)).
Inverse Quadratic
Has the steepest start (\(1\over{\sqrt{x}}\)) and approaches 1.0 faster than the other two functions.

ちなみに

メニューの表示については Camera ‣ Display パネルで有効化できます。

設定

Reference

Panel:World ‣ Settings

Surface (サーフェス)

Multiple Importance Sample (多重重点サンプル)

この項目を有効にすると背景のテクスチャ等レンダリング時の負荷が軽い部分をサンプリングし、処理重要度のマップを作成します。この機能によって(ホタルのような)副生成物と引き換えにレンダリング時にノイズを低減します。シーンを軽量なものにするためにイメージテクスチャを利用している場合は常にこのオプションを有効にしておくのは良いアイディアでしょう、さもなくばノイズが収束するのに長い時間を取られてしまいます。

下図は Multiple Importance Sample の有効と無効を比較したものです。いずれの画像も 25 秒でレンダリングしました (無効時: 1500 サンプル、有効時: 1000サンプル)。

../../_images/render_cycles_world_mis-off.jpg

Multiple Importance Sample off.

../../_images/render_cycles_world_mis-on.jpg

Multiple Importance Sample on.

Map Resolution (マップ解像度)
重点マップの解像度を設定します。高い解像度ではマップ上で細かい形状も検知しやすくなりより正確なサンプリングを行えます。しかし逆にメモリをより必要としレンダリングはある程度遅くなります。高解像度の画像を利用している場合は高い値を設定することでノイズを低減できる場合が有ります。
Max Bounces (最大バウンス回数)
背景から入射する光線がバウンスする上限回数でありレンダリング結果に影響します。

参考

ノイズをどのように低減させるかについてのより詳細な情報は Reducing Noise を参照下さい。

Volume (ボリューム)

サンプリング方式
Distance (距離)
密度がかなり大きいボリュームが遠方から照らされる場合は通常 Distance サンプリングはより効果を発揮します。
Equiangular (等角)
光源がボリュームの内部もしくは近くに存在する場合 Equiangular サンプリングの利用がより望ましいでしょう。
Multiple Importance (多重重点)
これらの状況が混在している場合は、多重重点サンプリングを利用した方が良いでしょう。
Interpolation (補間)

ボリュームに用いる補間方式です。

Linear (線形)
滑らかさと速度共に良好な方式です。
Cubic (三次元)
Smoothed high-quality interpolation, but slower.
Homogeneous Volume (均質ボリューム)
レンダリングを高速に行うため、ボリュームがいずれの場所でも同じ密度を持っている (テクスチャを利用しない) と仮定します。例えばガラス状オブジェクトにおける光の吸収は通常テクスチャを持たないため、このオプションを知っておくことでボリュームシェーダーのサンプリングのためのちょっとした段階を避ける事ができます。

Ray Visibility (光線の可視性)

Reference

Panel:World ‣ Ray Visibility

他のオブジェクト同様、Ray Visibility によって他のシェーダーがその環境を 認識 できるかをコントロールできます。

便利な小技

直接見える範囲を定義する環境とオブジェクトを間接的に照らす別の環境とを別に持ちたい場合が有ります。この状況を実現する簡単な方法はミックスする要素として Is Camera Ray を設定した Mix ノードを用いることです。Mix ノードの最初の入力には間接光の色を、次の入力には直接見える色を設定します。この設定は環境背景に高解像度の画像を用いて、ライティングには低解像度の画像を利用する場合に有用です。

同様に、Is Camera RayIs Glossy Ray との加算は反射として高解像度の画像を視認できるようにする事を意味します。

../../_images/render_cycles_world_tricks.png

この小技で用いるノードは上のようになります。