はじめに#
モーショントラッキングは、オブジェクトもしくはカメラの動きを追跡し、その追跡データを制約条件の中で1つ以上の3Dオブジェクトに適応します。これはBlender内で制作された3Dオブジェクトもしくはインポートされたオブジェクトに使用できます。Blenderのモーショントラッカーは、カメラトラッキングとモーショントラッキング、コンポジットのための平面トラックといった特殊な機能を含む、2Dのトラッキングと3Dのモーションの再構築に有用なパワフルなツールをサポートしています。追跡の機能は、マスクエディタ内でロトスコープをする際のマスクの移動や変形にも使うことが出来ます(これはムービークリップエディタの特殊なモードとして使用可能です)。
Views#
トラッキングモードでは3つの異なるビューが使用できます。ヘッダーにあるビューセレクターで使用するビューモードを固定することが出来ます。ムービークリップエディタ内のビューを選択すると、その領域全体が変化します。したがって、カーブやドープシートビューを表示するには、エディタを2つに分割し、一方をカーブやドープシートビューに切り替える必要があります。
Manual Lens Calibration#
すべてのカメラは歪んだ映像を記録します。これは光学レンズの仕組み上、どうしようもないことです。正確なカメラの動きのためには、焦点距離と歪みの「強さ」の正確な値が必要です。
現状、焦点距離はカメラの設定かEXIF情報からのみ自動的に取得することが出来ます。歪みの大まかな補正値の算出に使える外部のツールはいくつかあります。また、歪みモデルの影響を受けているグリッドや、変形したセルで映像内の直線を定義する完全な手動ツールも用意されています。
Blenderでは、このためにアノテーションツールを使うことができます。ポリラインブラシを使って、映像内のまっすぐであるべき線を描き、歪みの値を調整してアノテーションが映像内の線と一致させるだけでよいのです。
さらに正確にカメラをキャリブレーションするには、OpenCVのグリッドキャリブレーションを使用してください。OpenCVは同じ歪みモデルを使用しているので、その点は問題になることはありません。
Camera and Object Motion Solving#
Blenderは、三脚での撮影を含むカメラモーションだけでなく、カメラの動きに関連したオブジェクトのモーションの解析もサポートしています。さらに、1つの平面上のすべてのマーカーのモモーションを解析するPlane Trackという機能もあります。
Tools for Scene Orientation and Stabilization#
モーションの解析後、より簡便な合成のために、3Dシーンの中で実際のシーンの向きを修正する必要があります。床、シーンの原点、X/Y軸を定義するツールが用意されており、シーンの向きの修正を行うことができます。
手持ちカメラの場合など、映像に不規則なジャンプや傾きなどが含まれることがあります。動きを解析した画像の要素に基づいて、 2D Stabilization は、最終の品質を向上させるために、そのような動きを検出して補償することができます。